本当に面白い漫画原作映画三選

本当に面白い漫画原作映画三選

人気コミックの映画化というと、今や定番の邦画ジャンルになりつつあります。
ですが、映画好きにとってみると、正直「微妙…」と敬遠しがちなジャンルじゃないでしょうか?

「キャストがコミックのイメージと違う」
「ストーリーが省かれていて、結局残念な感じに」
「リアリティがなさすぎる。アニメじゃダメなの?」etc

しかし、中には本当に優れた漫画原作の映画もあるんです。舐めんな、マンガカルチャー。
というわけで、こちらでは、えりすぐりの三選をお知らせしたいと思います。

① 刑務所の中(2002年/崔洋一監督)
漫画原作映画とは、そもそもの発端が商業主義です。漫画の人気にあやかって、映画で一儲けしてやろうという大人の事情が複雑に絡み合った一大ビジネスである場合がほとんどです。そして、そういう曇った眼の大人が映画を作ると、多くの場合あんまり面白くありません。ビジネスライクなしらけた空気に、観客もしらけてしまうのです。
しかし、逆をつきましょう。
そう、原作の漫画が、「大して売れてないもの」であれば、それはビジネスライクになりようがない。監督が、その漫画が好きで、周りを何とか説得して映画化に漕ぎつけるんです。
「「刑務所の中」?なにそれ知らない、面白いの?」そう言われてから、説得して説得して、発進するプロジェクトです。面白くないわけがない。

【解説】
花輪和一氏といえば、知る人ぞ知る怪奇漫画のベテラン。そんな彼が銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役三年を言い渡され、収監された日々を綴ったエッセイコミックが原作です。
刑務所の中、といえばなんだか怖そうなイメージ。ですが、今作では非常にコミカル。主人公花輪(山崎努)に、同じ部屋の性犯罪者の伊笠(香川照之)や、殺人犯の田辺(田口トモロヲ)、窃盗犯の小屋(松重豊)、薬中の竹伏(村松利史)らの、一風変わった日常を、漫画原作らしいテンポの良い会話で描きます。塀の中にもかかわらず終始ハッピーなムードの、一風変わった監獄ものです。
この映画の素晴らしいところは、ほぼすべての会話が原作に忠実であるということ。原作ファンを納得させ、さらには「刑務所の中」という作品自体全く知らない観客にも作品の魅力を伝える素晴らしい仕上がり。それを叶えるベテラン俳優陣も見事の一言。派手なキャストを一切使わないところにも、蓋を開けてみなければわからない映画の醍醐味を感じさせます。
刑務所の中って、一番身近な異世界かもしれません。

② 天然コケッコー(2007/山下敦弘)
漫画原作映画の中でも特にあたりが多いのが、実は少女漫画です。というのも、少女漫画というのは基本的に無理をしません。もう一度言いましょう、無理をしない。
どういうことかというと、なんとかの実を食べて特殊能力を身に着けた海賊が主人公で大体いつも満身創痍ではないですし、右手は勝手に疼きだしませんし、死神代行をしたりはしませんし、巨人とも戦いません。ごく普通の女の子が主人公で、周りとなんやかんややりながら日常を過ごしていく話が多いんです。無理な喧嘩も、無理な冒険も、特殊すぎる家庭環境も、ほとんどが少女漫画というジャンルには受け入れられません。そう、女はたとえ少女であろうとも、リアリストなのです。
ですが、だからこそ、大ヒットはしない。キャッチーではないのです。
今作も、わたし自身映画から入り、原作に至りました。原作の存在自体知らなかったのです。つまりは、映画が面白くなければいけないという前提が成り立つのです。

【解説】
主人公のそよ(夏帆)は、島根のとある農村に住む中学生です。子ども自体少ないその村では、他学年が同じ教室に机を並べ、学生生活を送っています。
そんな彼女の日常に降ってわいた東京からの転校生の広海(岡田将生)。都会ぶった嫌なやつだと初めこそ反発しますが、徐々にその無邪気で心優しい性格に惹かれていく、という、超王道の甘酸っぱい青春ラブストーリーです。
この、甘酸っぱい感じが、演技ではなく本当に甘酸っぱいのがこの映画の最大の魅力。なにせ、主演の二人が本当の15,6歳当時に撮影されているんです。そんな二人の恋愛模様、ちょっとうしろめたいくらいの愛らしさです。この愛らしさが、少女漫画を読んでベッドの上でバタバタするあの感じ。抜群です。最高です。しかも、漫画ではその後の彼らが読める。読んでしまいます。この映画を観れば、読んでしまいます。

③ ヒメアノ〜ル(2016/吉田恵輔)
先ほど、リアリティこそ映画化の要だと書きましたが、漫画といえば「濃すぎるキャラクター」も魅力です。といっても、漫画のイメージが強すぎるために、あるいは映画化の際に誇張しすぎて、観客の失笑を買うこともしばしば。それでも、そんな難関に果敢に挑戦する映画は後を絶たず、ごくたまに、これは!と思う作品が現れることもあります。
今作は、レベルの高い今年の邦画の中でも特に異彩を放つサイコキラー映画であり、この映画を絶賛する観客のほとんどが原作漫画の存在を知りません。

【解説】
フリーターでパッとしない主人公岡田(濱田岳)のイマっぽいリアルな恋愛模様と、岡田の元同級生で絞殺に性的興奮を覚えるサイコキラー森田(森田剛)の非現実的な日常を、独特な対比の手法で見せる映画です。漫画でも対比の手法が大きな特徴だったのですが、それを映画の中でも上手く見せていることで、原作ファンにも高い評価を受けています。
そして、さらに驚きなのが、主演がジャニーズ事務所の人気アイドルV6の森田剛だということ。映画好きなら、誰しも避けてしまう言葉のひとつが、「アイドルの主演」。しかしながら、この映画の森田剛は、もはやアイドル生命を絶つ覚悟があるのではないかというくらいのサイコキラーっぷり。大胆な濡れ場やむごいバイオレンスシーンが魅力の映画なので、そこを薄めてしまうわけにはいかないのですが、それをまさかアイドルがやるとは、という驚きが、効果的に作品を高めています。

いかがだったでしょうか?
こちらで紹介した三本はどれも、映画好きに自信を持って勧められる映画です。
映画が面白いためには、当然ながら面白い原作が必要です。埋もれた名作だらけの漫画大国日本において、これからますますの発展が望まれる漫画原作映画。注目したいところです。

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