真夏の青春映画三選

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真夏の青春映画三選

梅雨明けもいよいよ迫ってきた今日この頃、夏への期待が高まってまいりました。
さて、夏というと楽しいことがたくさんありますね。海に山に、レジャーの季節と言っても過言ではありません。長い休みが取れるという方も多いかと思います。

映画にも季節は大きく関係します。春なら出会いの恋愛映画、秋ならほろっと泣ける感動モノ。
さて夏と言えば、ゾクッと寒いホラー映画もありますが、直球の青春映画も楽しみなところ。この季節にふさわしい、キラキラの青春映画を三選紹介したいと思います。
ご家族や恋人や友人と、夏の夜長に映画はいかがですか?

① ロード・オブ・ドッグタウン(2005年/キャサリン・ハードウィック)
音楽やファッションなどストリートに80年代ブームが巻き起こる昨今、スケートボードも再熱しつつあります。
渋谷の山下公園や駒沢公園には、週末を中心にスケボーキッズが集まり技を競い合っていますし、湘南発の人気ロックバンドsuchimosの「Fallin’」のミュージックヴィデオにもスケボーシーンが登場します。Instagramで話題のKo Hyojoo(@hyo_joo)は、ロングボードと言われる、長いタイプのスケボーを自在に乗りこなす華麗な姿が注目を集めています。
そんなスケートボードブームですが、今のようなクールなスタイルを打ち出した伝説のチームがあったことをご存知ですか?そんなスタイルの火付け役となったアメリカ西海岸のZ-BOYSの実話を基にした、アツくてクールなスケボー映画がこちらです。
メンバーのジェイとトニーが役作りの指導を、ステイシーが脚本を書き下ろしたこちら、思わず嫉妬してしまうくらい眩しい青春がここにあります。

【解説】
1970年代のカリフォルニア州ベニスビーチ。西海岸のありふれたその町では、悪ガキたちは暇を持て余していました。ドッグタウンと呼ばれるダウンタウンで育った彼らのおもちゃはサーフボードとスケートボード。よそ者を締め出し、ビーチを独占し、金持ちの家のプールをスケボー上に見立て滑り周り、まるで自分たちだけの王国を駆け回るような縦横無尽な彼らを、爆音のヒットチューンが追いかけます。
彼らの悪ガキ大将、サーフショップのスキップは、彼らの運動能力に目をつけ、当時流行り始めたばかりのスケートボード大会での賞金稼ぎを思いつきます。やがてチームを組んだ彼らは、独自のスタイルで次々と新技を編み出し、アメリカ各地の賞レースを荒らし周り始めるのです。
当時のスケートボードと言えば、厳格にルールが決められた、いわばフィギュアスケートのようなお堅いスポーツ。そのスポーツに、悪ガキらしい自由で荒っぽいスタイルで切り込んだ彼らは、たちまちスターダムを駆け上がっていきます。
この、自由で荒っぽい技がいちいちかっこいい。奇想天外なジェイ、豪快なトニー、正確なステイシーと、プレイスタイルに特徴があり、ルックスも美形。少年漫画のようなその爽快感は、どんな青春映画も目指すところながら、こんなにも鮮やかに決めているものは「ロード・オブ・ドッグタウン」のほかにはありません!と言い切ってしまいたいくらい。
また、サウンドトラックの充実っぷりも半端じゃありません。この一枚を聞いておけば、70~80年代の流行は抑えた!というくらいのセレクトセンス。そんでもってラストは泣かせる。まさに完璧な青春映画、必見です。

② 深呼吸の必要(2004/篠原哲雄)
夏と言えば海、海と言えば沖縄。日本で一番美しい海とも呼び声の高い沖縄を舞台にした今作は、しかしながら白いビーチで美男美女がキャッキャする、そんな薄っぺらい青春映画ではありません。
夏と言えば、アルバイトの季節でもあります。学生ももちろんですが、たとえば転職前の休みを利用して、など、アルバイトには様々な人間が集まります。人間が集まるところには、当然ドラマが生まれます。
今作はそんな、沖縄での「サトウキビ狩り」の泊まり込みアルバイトに集まった男女を描く、大人の青春映画です。

【解説】
なんだかワケあり顔の7人の男女。彼らは、35日間の共同生活をしながら、サトウキビ狩りのアルバイトのために沖縄の離島に集まってきました。日給は五千円、仕事は炎天下の下の肉体労働と、決して楽ではありません。
「言いたくないことは、言わなくてもいい。」
そんなワケあり顔の彼らですから、定めたルールがこちら。しかし、労働の日々の中で、彼らの心は少しずつ近付いていくのです。

さて、この映画の素晴らしさは、なんといってもキャスト。それに加えて自然描写の美しさ。さらには、タイトル。
まずキャストですが、長澤まさみ、成宮寛貴、大森南朋、谷原章介、香里奈など、その後主役級となる俳優陣が揃って出演しています。映画全体もそうですが、役どころも派手ではないため、プロモーション臭さを感じないところも気持ちが良い。
次に自然描写ですが、正直、ロケ地・沖縄の映画なんて腐るほどあります。サトウキビ畑だって珍しくない。ですが、「労働場所」となると話は別です。美しいサトウキビ畑を感慨深げに眺めるシーンはあっても、泥だらけで眉間に皺を寄せキズを作りながらサトウキビを収穫しているシーンが魅力的に見える映画は、後にも先にも今作だけではないでしょうか。その、労働のリアルさこそ、この映画の根柢のテーマにかかわってくるのですが。
そしてタイトル。詩人・長田弘氏によるものですが、このくらいわかりやすく現代人の胸を打つタイトルはないでしょう。沖縄で、何も考えずに肉体労働をしてみたい、そう思うことは、現代人にとってそう珍しいことではないのでしょう。そう、そんな観客にも、この映画の登場人物たちにも、共通していることこそ「深呼吸の必要」なのです。

③ DOPE/ドープ!!(2016/リック・ファミュイワ)
クールな青春映画といえば、前述の「ロード・オブ・ドッグタウン」もそうですが、どうしても悪そうなやつらは大体友達、的な主人公になってしまいがちです。理由は簡単です。
かっこいいから。
身も蓋もない話ですが、スクールカーストを思い出してください。学生時代のヒーローって、馬鹿だけどむちゃくちゃやる不良ではなかったですか?そんでもってルックスも良くて運動神経も良い、そうなれば言うことありません。映画の世界でもそうなんです。もっと露骨なことを言うと、たとえクラスに居場所が無くても、そういう状況が悲哀という「絵になる」やつ。映画や物語でも、主人公って大抵そうなんです。
でも、この映画は違う。主人公はオタクの優等生。しかも黒人。しかもだ、そんな彼らがバンドやろうっていうんです。もっと言いましょう、それがかっこいいんです。

【解説】
L.Aのスラム街イングルウッド出身のマルコム(シャメイク・ムーア)は、名門大への進学を目指す高校生であり、80年代のHIP⁻HOP音楽を(偏執的に)愛するギーク(≒オタク)です。趣味的にバンドを組んではいますが、スラムに位置するオラオラの学校では、ダサいやつだと見下される日々を送っていました。しかし、セクシーな美女ナキア(ゾーイ・クラヴィッツ)のケツを追いかけて行ったドラッグ・ディーラーのドム(エイサップ・ロッキー)のバースデーパーティーの日から、そんな日陰の日々は一転、トラブルに巻き込まれていくのです。
こう書くと、なんだか青春映画というよりはドタバタコメディと思われるかもしれませんが、この映画の大きな主題は実は「音楽」です。白人趣味とされたHIP-HOPに本気になるギークたちの、イケてるやつらに対する反抗であり、初恋であり、バンド映画なのです。
というのも、音楽を監修したのが、あのファレル・ウィリアムズ。全米どころか全世界を熱狂させるHIP-HOPの大スターの紡ぐ音楽が、どこかコミカルな、でも真剣な青春映画に乗っかる、これほどワクワクすることはありません。ぜひ、映画館でお楽しみください。

さて今回も三選、自信を持ってお勧めできる映画ばかりです。映画を観た後は、自分でもなにか新しいことを始めたくなる、そんな背中を押すパワーのある作品ばかりです。
日常に疲れたときは、食事・睡眠・楽しい映画で、夏を乗り切る力をチャージしてください。

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